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ガリガリ君当たり棒の偽物を送ったとして詐欺未遂
私は梨味推しで、かつて当たり棒を2回くらい当て、誇らしげに購入店舗にこれを持ち込んで、もう一本獲得してきた実績があるのですが、先日、そのガリガリ君の当たり棒の偽物を、製造元の会社に送ったとして、男性が詐欺未遂の被疑事実で逮捕されたと報じられました。
報道によると、この当たり棒は、普通の「当たればもう1本」というものではなく、非売品である、あるキャラクターのカードと交換してもらえるもののようです。
多くの記事では、この男性が、当たり棒を「偽造して」と表現していました。
ただ、そもそも、偽物の当たり棒を作る行為は、刑法上の「偽造」ではありません。
また、記事を読むだけでは、この男性が、果たして、偽物の当たり棒を自ら作って、それを製造元に送り付けたかのように記載されている点について、どのような証拠があるかは明らかになっておらず、自ら偽物を作ったのか、偽物の当たり棒を、それが偽物だとわかりながら何者かから入手したのか、それとも、偽物だという認識なく何者かから入手したのか、これらの事実関係は捜査によって今後明らかになっていくのではないかと思います。
報道によれば、逮捕された男性は、「だまし取る気はありませんでした」と被疑事実を否認しているとのこと。
事実関係がはっきりしないので、この具体的な報道に関して直接的なコメントは控えるべきだと思っており、この事案を離れ、一般論で考えてみたいと思います。
アイスの当たり棒の偽物を自ら作って、それを製造元に送り、キャラクターカードを手に入れたとしたら、それは、詐欺罪になると思います。
自ら偽物を作って、これを製造元に送り付けておきながら、だまし取るつもりはなかったという言い訳は通用せず、そのような行為をしたら、当然、製造元は、その棒を真実の当たり棒だと信じてキャラクターカードを交付してくれる、と認識するでしょう。
そして、自ら偽物を作ったかどうかという点は、本人の供述のみならず、自宅捜索の結果、偽物を作るのに必要な道具類が発見されるか、自宅PCなどに、偽物の作りかたについて検索等して調べた痕跡が残っているかなどによって明らかにしていくのではないかと思います。
では、自ら偽物の当たり棒を作ったのではなく、ネット上で、本物の当たり棒として売られていたのを購入し、それを製造元に送ってキャラクターカードの交付を受けたとしたらどうか?
ネット上で、本物の当たり棒として売られていたのだとしたら、それを買い取って製造元に送った人は、その棒を本物だと認識しているでしょうから、偽物を製造元に送ってカードをだまし取ってやろうという認識がそもそもないですよね。
そうなると、詐欺は成立しないといえるでしょう。
この点、当たり棒をネット上で買うにあたり、その当たり棒が本物であると認識していたか、偽物であると認識していたか、その判断をするのはなかなか難しいですね。
認識なので、人の内心にあることだからです。
捜査機関としては、当たり棒を製造元に送った人物の供述に頼らず、ネット上で具体的にどのようなやりとりを経て購入しているか、いくらで売買されたか、売買された本数、棒の外見等客観的な事実をもとに評価することになるのかなと思います。
たとえば、その当たり棒が、そうそう当たるものではなく、何万本に1本くらいしか当たらないようなものだったとして、そのようなレアなものであるのに、100本まとめて安い価格で売られていたというような事実があったら、それは、偽物ではないかという疑いをもってしかるべき、という評価になりそうですよね。
今後の捜査に注目していきます。
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