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市役所で金属バット
先日、市役所内で金属バットを持って歩いたとして、県迷惑防止条例違反の被疑事実で市議会議員が逮捕されたと報じられました。
報道によると、この議員は、金属バットを持った状態で市役所内にある市議会事務局に行き、議長との面会を要求したとのこと。
議長が議員の対応をしている間に、市の職員が、議員の足元に置いてあったバットを取り上げたとのことで、その後臨場した警察官が現行犯逮捕したと報じられていました。
迷惑防止条例違反というと、電車内での痴漢のニュースを思い出すかたもいるかもしれませんね。
でも、迷惑防止条例というのは、電車内での痴漢を取り締まるだけのものではありません。
この事件が起きた県では、この条例の目的を「県民及び滞在者等に著しく迷惑をかける行為等を防止し、もってその生活の平穏を保持すること」と定め、その平穏を侵害するような行為を幅広く禁止し、違反行為には罰則も定めています。
私は、今回の報道された行為が、迷惑防止条例のうちどの条項に違反したのか具体的に特定する記事を見つけることはできなかったのですが、報道されている内容を見る限り、「何人も、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、鉄パイプ、木刀、金属バット、刃物その他これらに類する物で、人の身体に危害を加えるのに使用されるおそれがあるものを、通行人、入場者、乗客等の公衆に対し不安を覚えさせるような方法で携帯してはならない。」という条項に違反したとして逮捕されたのではないかと思います。
報道を見ていると、この議員が、先だって行われた議会における議長の進行に関し、議員が不満を抱いており、その不満を伝え議長を威嚇するつもりだったのではないかなどと報じているものもありました。
議員本人はそのような供述をしていないようなので、真実は今後の捜査で明らかになるとのことです。
この点、一般論で考えると、もし、ある人が、他人に面会を求めるにあたって、面会を実現させ、また、その面会で相手を自分の意のままに話を進めようと考えて、その手段として金属バットなどの凶器を持っていき、それを相手に示すなどし、もし、自分の意に沿わない対応があれば、そのバットをもって相手の身体に危害を加えると思わせて相手を面会に応じさせたなどという状況が認められれば、そのような行為は、脅迫して相手に義務なきことを行わせたとして刑法上の強要罪にあたる可能性があります。
法定刑は、迷惑防止条例よりも重くなります。
捜査機関としては、目撃者から話を聞いたり、もし防犯カメラに映っている姿などがあればその内容も解析したりし、市役所に現れた当時、議員がどのようにして金属バットを持っており、その後面会を求めるにあたってどのような言葉を発していたか、その際、金属バットをどのように持っていたか、持ちかえて相手に示すなどの行動は見られなかったか、などを明らかにし、果たして強要といえる事実が認められないか、慎重に捜査するのではないかと思います。
議員は、素振りのためにバットを持っていたと供述していると報じられています。
捜査機関は、議員が普段から外出時金属バットを持ち歩いていたか、過去に同種行為があったとするとそのときはどのような状況だったのかなどという点も周囲の人から事情を聞き明らかにしていくことになるでしょう。
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