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前回に引き続き、持続化給付金不正受給の話をとりあげてみます。
持続化給付金不正受給に関しては、連日、逮捕、起訴の報道を見聞きします。
また、持続化給付金詐欺に関わった人の声を取材する記事も目にします。
「私は、よくわからないままに言われたとおり身分証などを渡しただけ。そして、言われたとおりに、渡された確定申告書を税務署に提出しただけ。振り込まれたお金だって、全額自分がもらったわけじゃない。犯罪だって言われていたらやらなかったのに、こんなことに巻き込まれるなんて私こそだまされた被害者だ」というような声もあるようです。
果たして「被害者」なのでしょうか?
「私は被害者」 その言い分はなかなか通用しない
たしかに、いろいろなケースがあります。
言葉巧みにうその説明をされ、やってはいけないことという認識を持ちづらい状況になってしまったかたもいると思います。
また、手口は一通りではないと思われるため、実際、申請手続きの過程で、不正に気付きづらかったというケースもあるかもしれません。
でも、「私はむしろ被害者。だまされました」という言い分はそう簡単には通用しません。
持続化給付金がどのような立場のかたに支給されるお金なのか、ニュースでもインターネット上でも繰り返し説明がされていたと思います。
なにしろ、個人で100万円という大きなお金を受給できる制度です。
全国民が受給できるわけではないことは明らかです。
じゃあ、どういう人なら受給できるのか、ちょっと調べたら、すぐにわかります。
そして、調べたら、自分が受給資格を持つ者に該当するかどうか、ということはすぐにわかるでしょう。
業者から、「税務署にこれを提出してきてください」と言って渡された確定申告書には、自分の名前とともに、あたかも収入があるかの記載があるのです。
それを見たら、この申請は不正なものだとわかります。
確定申告の手続自体を代行する業者もあるようです。
それにしても、ただ身分証などを業者に提出しただけでまとまったお金が振り込まれる、という説明を受けたとき、「どうしてかな。へんな話だな」「何かうその書類を提出したり、うその申告をしたりするのだろうな」などの認識を全く持てなかったとしてもやむを得ないだろうと評価されるケースはあまりないと思われます。
「私は被害者」という言い分はなかなか通用しません。
今後の捜査
持続化給付金については、そもそも、国の審査が甘すぎたんだろうなどという批判もあるところです。
でも、それは、審査を厳格にすることよりも優先すべきことがあると考えられたからです。
仮に審査が多少甘くなっても、新型コロナウイルスの感染拡大により甚大な影響を受けた事業者のかたが、少しでもその影響を穴埋めして再起をするためにまとまったお金を速やかに届けなくてはいけないということが何より優先されたといえます。
審査のすきを突いて不正受給がなされれば、それによって、当然、本来届けられるべき人に必要なお金を届ける手続きも遅くなったはずです。
制度を悪用した不正受給については、今後も厳しく捜査が進むと思います。
今、不正受給のいわゆる指南役と表現される立場の逮捕が相次いでいます。
それを見て、「自分は、指南役の誘いに乗ってしまっただけの立場だから、捜査の対象にはならないだろう」と思っているかたもいるかもしれません。
でも、実際、指南役から誘われて申請した名義人も逮捕されることがあります。仮に逮捕されなかったとしても、詐欺罪の被疑者として捜査対象になります。
今後、指南役の捜査が進むにつれ、指南役から押収した携帯電話等精査する過程で指南されて申請名義人となった人たちが特定されていくことが考えられます。
不正受給に関わってしまったかたがいたら、その重みを認識するとともに、今何をすべきか、考える必要があるかもしれません。
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