リーガルエッセイ
公開 2019.06.13 更新 2021.08.13

痴漢の被害に遭ってしまったら?

記事を執筆した弁護士
Authense法律事務所
弁護士 
(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。司法試験に合格後、検察官任官。約6年間にわたり、東京地検、大阪地検、千葉地検、静岡地検などで捜査、公判を数多く担当。検察官退官後は、弁護士にキャリアチェンジ。現在は、刑事事件、離婚等家事事件、一般民事事件を担当するとともに、上場会社の社外役員を務める。令和2年3月には、CFE(公認不正検査士)に認定。メディア取材にも積極的に対応している。
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前回は、痴漢と疑われたら?をお話してみましたが、今回は痴漢の被害に遭った被害者側の視点に立ってみたいと思います。

身動きがとれない満員電車で痴漢被害に遭ったとき、被害に遭われた方の感じる恐怖や憤りははかりしれません。恐怖で固まってしまうかたも多いのも、もっともだと思いますが、逆に、犯人を捕まえようと思ったときに気を付けるべきポイントをお話します。

犯人が痴漢行為をしている、その時に、その手をつかむ

一つ目は、犯人による痴漢行為の最中に、ご自身の体に接触している犯人の手を掴み、犯人の体、顔を見て、どの人物が体を触っていたのか、確認してください。

注意すべきは、犯人の手がご自身から離れる前に掴む事です。

手が離れた後に立ち位置などから「この人が犯人に違いない」と推測で手を掴むと、人違いのリスクだけでなく、その人物が犯人だとしても言い逃れをされてしまうこともあります。

痴漢行為をしている最中に犯人の手を掴むのは、とても勇気がいりますが、大事なポイントのひとつです。

周囲の協力者を確保すること

二つ目は、周囲の協力者を確保してください。同じ電車に乗っていた方が痴漢行為を目撃していた場合はもちろん、不審な動きをしていた人物を見ていた、当時の電車の混み具合を証言できる方は多くいます。

これらの証言は、後々の裁判で大事になる事もありますから、周囲の方に協力を呼びかけ、駅員や警察官がその場に来るまで一緒にいてもらい、駅員などに当時の状況を話してもらえるようお願いしてみましょう。

同じ犯人に被害に遭っているなら、すぐに警察へ

被害に遭われた方の中には、同じ人物から、たびたび被害に遭っているという方もいますが、すぐに警察に相談に行くことをお勧めします。

継続的に同じ犯人に被害に遭っている場合、ご自身で犯人を捕まえる事は危険を伴う事があるからです。

被害に遭われた女性からの聴き取りは、できる限り女性警察官が行うようにしている警察署もあります。たびたび被害に遭われたら、我慢せず、できるだけ早く警察に相談されることをお勧めします。

慰謝料?示談?痴漢の犯人が捕まったら

最後に犯人が捕まると、犯人側の弁護士から、慰謝料の支払いの申し出や、示談について連絡が入る事があります。このとき、慰謝料を受け取ったらどうなるのか、提示されている慰謝料は相当額なのか、など、ご不安もあると思います。

なにより、犯人側の弁護士と話をすることに抵抗をお感じのかたもいらっしゃるかもしれません。

「犯人の弁護士と直接話したくないから、窓口になってほしい」などのご要望がありましたら、お気軽にオーセンスまでご連絡ください。

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