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SNSで知り合った女子中学生の自殺を手助け
SNSで知り合った女子中学生の自殺を手助けしたとして成人男性が自殺ほう助の疑いで逮捕されました。
中学生の子を持つ親として、胸がつぶれるような思いです。
事実関係はまだわかりませんが、中学生がSNSで自殺願望をほのめかしたことがきっかけでSNSでやりとりをするようになったとのこと。
刑法では、自殺を教唆(きょうさ)すること、自殺をほう助することは自殺関与罪として犯罪になります。
教唆というのは、まだ自殺の決意をしていない人に自殺をそそのかすこと。
ほう助というのは、既に自殺の決意をしている人の自殺の手助けをすること。
そして、今回は、ほう助、つまり、すでに自殺を決意していた中学生に対し、その手助けをした疑いがあるとして逮捕されたというのです。
何も事情を知らずに軽率なことを言えませんので、以下一般論でお話します。
我が子の様子見ていても、また、自身の中学生時代を振り返ってみても、とても危うい時代だったなと思うのです。
ニュースに触れる機会も増えたり、急に大人びる周りの様子に戸惑ったり、周囲と比べて自分が何もかも劣っているように思えてしまったり、進学先などを考えなければならないのに、将来の自分の姿が全く見えず、希望も見えず焦ったり、身近な存在である親にただただ腹が立ったり…とにかく、何かにつけて敏感で繊細で、ちょっとしたことで気持ちがあがったり下がったり。
もしかしたら、今は、中学生もがSNSの世界を当たり前のように見ることができるだけに、無限の情報に触れることで生まれる苦しみも大きいことがあるのかもしれません。
そんな中学生が自殺をほのめかしたという事実が仮にあったとして、そのほのめかしにどれほどの現実味があったのかなとふと頭をよぎります。
自分が死ぬということ。
死ぬしか選択肢がないと考えてしまったこと。
もちろん、中学生だから、考えが深いところまで至っていないだろうなどという乱暴な話をするつもりはないのです。
でも、わが身を振り返っても、たった10数年の経験に基づいて思いつく問題の解決策は、今同じ問題に直面したとして思いつく解決策の数と比較しても相当限られていたはず。
つまり、中学生が、死ぬということ以外の選択肢の存在をそもそも思い描くことができない状況になっても仕方ない場合があると思うのです。
そんなとき何より重要なのは、その思いを聞いた大人が、追い込まれた子どもの視界を広げてあげることだと思っています。
それこそが大人の役割だと思っています。
にもかかわらず、万一、中学生の思いを聞いた大人が、子どもの視界を広げるのでなく、逆にその背中を押すようなことをすることは、手助けなどではなく、殺人と等しく評価されるような行為であると私は思っています。
こんないたましい事件が絶対に起きないように、弁護士として、子どもたちが問題に直面したときに実は自分が気づいていない選択肢がたくさん存在している可能性があることに思いを致すことの大切さ、困ったときに正しく助けを求める方法、自分の命を大事にするということの意味などについて法教育活動にもっともっと力を入れていかなければならないと激しい憤りをもって感じています。
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