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パパ活狩り
先日、30代の男性から車、イヤホンなど合わせて112万円相当を奪ったとして、少年ら6名が強盗の被疑事実で逮捕されたと報じられました。
報道によれば、手口はこのようなもの。
まず、逮捕されたうちの一人である女子高生が、Twitterでパパ活相手を募集し、そこに返信してきた男性と待ち合わせ、男性にわいせつな行為をしようと誘い、男性をある場所に連れて行く。
その場所であらかじめ待ち構えていた女子高生の仲間の少年たちが、男性に対し、「俺の女に手を出した」などと因縁をつけ、警察に行くか、金品を払うかと迫り金品を強奪したとのこと。
捜査は始まったばかりで、事実関係はまだわかりませんので、この事件を少し離れてお話しします。
ここで報じられている手口は、いわゆる「パパ活狩り」と呼ばれるものです。
昔ながらの表現ですと、「美人局(つつもたせ)」などと言うこともあります。
仲間の男女が示し合わせて行う金品カツアゲの手口です。
このような形で明るみに出ることは少ない犯罪であるともいえます。
なぜかというと、被害者側としても、その経緯に後ろめたいところがあることが多く、特に、被害者に家庭や勤務先があると、家庭や職場にばれないように、被害に遭ったことを秘密にし、泣き寝入りするという選択をする方もいるからです。
その被害者心理につけこんだ犯行だといえます。
この犯行、恐喝罪で逮捕されることが比較的多いように思います。
今回は強盗罪による逮捕とのこと。
恐喝罪と強盗罪の違いは、金品を奪う手段としての暴行や脅迫の程度の差にあります。
暴行、脅迫の程度が、被害者の反抗を抑圧する程度に至っていたら強盗、至っていなければ恐喝という区別です。
この区別、実際は、検察官が起訴するときにも悩むところです。
強盗罪が成立するための暴行、脅迫、というのは、かなり強い程度であるといえます。
いわゆる「パパ活」に関しては、以前にもお話したことがありますが、やはり、いろいろな角度から犯罪と隣り合わせのものだと感じます。
パパ活の中身はケースによっていろいろですが、それが対価を授受して不特定の人と性交することを伴う場合は売春に該当し、法律で禁止されています。
会って食事をしたりしてお小遣いをもらおうという、主に若い女性側の立場から考えると、相手の男性により危害を加えられるリスクと隣り合わせです。
相手がどのような魂胆で女性と会おうとしているかはわからず、犯罪被害に巻き込まれる可能性もある中、何らかの被害に遭ったとしても、パパ活をしていたということを後ろめたさから警察に被害申告をしたり、家族、知人に相談ができないというケースもあります。
一方、男性側からしても、こうしてパパ活狩りに遭うリスクと隣り合わせです。
また、20歳であると言っている相手が、もし、実は中高生だったら、条例違反等の犯罪を自ら犯すリスクもあります。
SNSを通じてやりとりをしていると、つい、「この相手は、まさかニュースに出てくるような人間ではないだろう」という不確かな直感を信じたくなることがあるかもしれません。
でも、相手が、そのような信頼を得る術を熟知していて、自分がまんまとその罠にはまっているのではないかという想像を働かせることができずになっている人が多いように感じます。
最終的にはそれぞれの選択にはなります。
ただ、パパ活の内容によっては、それ自体が犯罪となり得ること、また、パパ活をめぐる様々な法的リスクを考えたとき、弁護士として、その危険性を訴え続けたいと思います。
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