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婚前契約書の意味
皆さん、婚前契約書という言葉を聞いたことがありますか?
文字どおり、結婚前に、夫婦になる二人が締結する契約書です。
内容は、いろいろなものがありますが、家事分担、育児、仕事、離婚時の条件等結婚に伴い生じ得るいろいろなことについてルールを決めておくものです。
この婚前契約書の話。
もしかしたら、ネガティブな印象をもつかたもいるかもしれませんね。
「お互いを契約だとかルールだとかで縛るのは愛情を基本にするはずの結婚にそぐわないのではないか」とか「離婚した際の条件を定めるなんて、結婚前から離婚のことを想定しているようで嫌だ」とか、そんなイメージがあるのではないかなとも思うのです。
でも、最終的に作るかどうかは別として、一度、どんなものか知った上でその選択をすることを検討してもいいのではないかと思います。
実はこの話、意外にも奥が深く、今回だけでお話が終わりそうもないので、今回は、私が婚前契約書の最大のメリットだと思うことをお話しします。
婚前契約書を締結するメリットとして、「ルールを作っておくことにより、結婚後のもめごとが少なくなる」などと言われることがあります。
でも、これって、家事分担についてあらかじめ決めてあるから、いざ結婚生活がスタートしてから「ゴミ出しやってよ」「いや、そっちがやれよ」などという争いがなくなるとか、「浮気禁止。浮気したら慰謝料〇〇円を払う」などと決めてあるから、違反したら大変だと思って、浮気をしなくなるとか、そんな話ではないはず。
そんなルールを決めても、たとえば、本来自分が担当すべき家事だったけれど、その後仕事の内容が変わり、生活リズムが変わったために結婚前の約束を履行することができない事態に直面することだってあるだろうし、自分の役割だとわかってはいても、どうしてもやりたくなくてさぼってしまうことだってあるだろうし、浮気しないとか慰謝料はいくらとか定めてあったとしても、する人はするだろうし、契約書が存在すること自体で大きな意味を持つとは思えないんです。
私は、婚前契約書を作るにあたり、
- 自分はどんな生き方がしたいのか
- 自分はどんな結婚生活を送りたいのか
- 自分はパートナーとはどのような関係でいたいのか
そんなことを考えるために、まずは自分と向かい合わざるを得ないということ自体に大きな意味があると思います。
同時に、上記❶から❸について、相手はどう考えているのかということを知り、お互いの方向性がどこかで交わっているのか、それとも、全く交わりがないけれど、そこをどう折り合って生きていくのかなどということを考える必要があると思います。
その上で、各論として、お互い、仕事にどう向き合っていくのか、家事をどう分担していくのか、経済的に外注の選択肢がありうるのか、子どもについてはどう考えるか、互いの家族との関係についてどう考えるか、お金の遣い方、休日の過ごし方、住まいについての考え方、どこかで進む道が異なることがわかって離婚するとなった場合の財産の分け方、離婚後の親子関係などあらゆることについて、まずは自分がどうしたいのかを考え、その上で、相手の考えも聞き、夫婦としてどうしていくのかを考える。
そんな過程こそが何よりも婚前に大事なことになるのではないかと思うのです。
もしかしたら、「そんなめんどくさい話をしたら、相手が嫌がるから、そんなこと結婚前に話せないよ」と不安に思う方もいるかもしれません。
でも、結婚生活って、そんなめんどくさいことが次々と起こるとも思いませんか?
お互いの時間の都合のいい部分を一部だけ切り取ってデートしていればいいだけの関係とは違って、避けられない日常というものもあるはずで、そういった起きうるめんどうなことについて、結婚前ですら、きちんと向き合ってもらえないパートナーは、果たして、結婚後、いざというときに、向き合ってくれるのか?とも思います。
たしかに結婚前になんでもかんでも想定して決めておくことなんてできるはずもありません。
でも、少なくとも、結婚前に、しっかりと自分の考えを知り、相手の考えを知り、一致しないところをどう折り合っていくかを話し合って乗り越えて結婚に至った二人であれば、結婚後に、想定外の事態が生じても、また、同じように話し合って乗り越えていくことができるのではないかなとも思うのです。
だから、私は、結果として契約書にするかどうかは後に検討するとしても、まずは、契約書を作るつもりで、結婚生活のあれこれについて、互いに十分な話し合いをすることがとても大事なことのように思えます。
この話、どこかで熱弁振るった記憶がよみがえってきました。
こちらでも同じような話をしています。
「夫婦の形は夫婦の数だけある 「リコカツ」最終話」
今度は、今回と少し違った側面、ビジネスをしているかたが婚前契約書を作るメリットについてもお話ししてみたいと思います!
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