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AV出演被害防止・救済法が成立
先日、AV出演被害防止・救済法が成立したとの報道がありました。
もしかすると、唐突な話だなという印象を受ける方もいるかもしれませんね。
実は、この話は、成年年齢引き下げのタイミングで議論になっていた話です。
つまり、これまで未成年だった18、19歳には、未成年者取消権があったから、万一、意に沿わずにAV出演契約を締結してしまっても未成年であるという理由だけでその契約を取り消すことができたところ、4月から成年になったことで、その未成年者取消権が行使できなくなる。
そうすると、意に沿わないまま撮影されたAVが、公表され、その後、販売により拡散されていくことにより、18、19歳に深刻な被害が及ぶのではないかとされてきたのです。
それに対し、何とかせねばという声がありながら、成年年齢引き下げがスタートし、若者がAV出演被害を受けることが深刻な問題となっていたところでした。
そのような中で成立した法律です。
実は、まだしっかりと確認できているわけではないのですが、報道によると、新法により、どの年齢、性別であっても、映像公表から1年間は無条件で契約を解除したり、販売や配信停止もできるという内容であるとのこと。
また、契約書面を交付してから1か月間は撮影禁止、撮影の終了から4か月間は公表を禁止とされているとのこと。
これは何を意味するのか?
いろいろな状況下で、AV出演契約をしたとしても、その後、出演まで、また出演後公表までに与えられた時間を使って、じっくりと思い直し、その都度異なる選択をし直す機会が生まれるということ。
本来契約というのは、いったん合意したら守るのが大原則です。
その大原則との関係で、AV出演契約では、異なる取り扱いをすることになります。
なぜか?
それは、AV出演という契約が、ほかの契約と異質のものであると考えられているからです。
どこが異質かというと、その契約を履行する場合に当事者の人生に与える影響があまりにも大きいだろうという点です。
もちろん、この点については、AV出演契約以外にも、その契約を締結することで当事者の人生に大きな影響を与えるものはあると思われるのに、なぜAV出演契約だけこのような扱いがされるのかという見方をするかたもあるかなとは思います。
この新法。
非常に大きな意味を持っていると思います。
そして、この法律ができたことで、業者にとっても抑止力が働くはずです。
でも、実際に、この法律がその役割を発揮するためには、前提として、法律ができたということ、この法律は具体的にどんな場面で使うことができるのかということ、AV出演をするということで今後起きうる事態などについて、具体的に中高生たちを中心に教育していくことが必要だと考えます。
中高生たちが、自分事として受け止めるためには、単なるパンフレットの配布などではなく、経験者の声や具体的に起きたケースを届ける必要もあるかもしれません。
どんなよい法律でも、それがただのお飾りになっていては意味がありません。
この新法に関する点も含む、具体的な意味ある法教育の必要性を痛感しています。
学校関係者のかた、保護者のかたなどからのご要望があれば、具体的授業の検討をさせて頂きますので、お気軽にお声かけくださいね。
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