取引先の支払いが滞り、未払い代金が50万円に
■相談までの経緯・背景
ご相談者様の経営する会社は、機械の部品を製造するメーカーです。
部品の納入先のうち、代金の支払いがたびたび遅れていたとある取引先が、代金を全く支払わなくなってしまいました。
取引先の社長に支払いを催促すると「月末にはまとまった金が入るから、もう少しだけ待ってくれ」というものの、月末になると「予定していた入金がなかった」という理由で、督促しても代金を支払ってもらえません。
そして、未払い代金は50万円ほどになってしまいました。
しかし、この取引先の会社には、高そうな絵画や食器類が並べられた立派な社長室があり、資金繰りに苦しんでいるようにはとても見えませんでした。
なんとか未払い代金を支払ってもらいたいと考えたご相談者様は、Authense法律事務所の弁護士にご相談に来られました。
事情を説明いただき、契約書や機械の部品を納入した際の取引先の受領書があること、未払い代金が50万円程度ということから、少額訴訟の提起についてご提案しました。
証拠が十分にある場合には、弁護士に依頼せず、自身で少額訴訟を提起するという選択肢もあります。
しかし、ご相談者様としては訴訟に不安があり、時間と労力を費やすことは避けたいと考えていました。
また、回収できる債権額と弁護士費用を比較してメリットがあると判断いただき、ご依頼いただくことになりました。
■解決までの流れ
弁護士はすぐに少額訴訟を提起し、判決もすぐに出されました。取引先から異議がでることもありませんでした。
そこで弁護士は、取引先の銀行に対する預金債権を差し押さえる手続きを取りました。
しかし、その口座には100万円程度の預金がありましたが、銀行に対する借り入れが300万円あったとのことで、債権の執行はできずに終わってしまいました。
取引先にはまったくお金がないようでした。
そこで弁護士は、「取引先に立派な社長室がある」という最初のご相談時の情報から、絵画や応接セット等の動産の差押え手続きをとり、高級絵画などの高額動産をすべて差し押さえて換価しました。
■結果・解決ポイント
結果的に、50万円全額を回収することができました。
ご相談者様は、資金繰りが悪化している相手方から回収するのは難しいと諦めかけていましたが、ご相談者様の発言がヒントになり、無事に解決することができました。