2024.06.20Legal Trend

法務人材雇用の難易度から考える企業が知っておくべき「法務機能外注」の選択肢

セミナーレポート

この記事のまとめ

こちらの記事は、2023年3月1日に開催したセミナー「法務人材雇用の難易度から考える企業が知っておくべき『法務機能外注』の選択肢」の内容を書き起こしたものです。全文を読みたい方は、無料会員登録いただくと続きをお読みいただけます。

本日は、法務担当者としてのリソースの確保にお困りの方とか、法務関連の人材の採用に臨まれている方とか、様々なそういった方を中心にご参加いただいていると思っておりますけれども、そういった皆様と共に、まず企業における法務部の役割、そして外部環境として経営環境を中心に様々な状況の変化があって法務ニーズが変化しているよというところ。

それから、そういった法務ニーズに対応する法務人材の採用の状況。そして最後のほうで、我々も提供している法務機能のアウトソーシングというソリューションをご紹介できればと思っております。

目次
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弁護士紹介

皆さん、こんにちは。Authense法律事務所、弁護士の西尾と申します。本日はお忙しい中、セミナーにご参加いただきまして、ありがとうございます。
最初に、簡単に自己紹介をさせていただければと思っております。

私は、2011年12月に弁護士登録をしましたので、弁護士としてのキャリアは12年目に入っています。Authense法律事務所では、ベンチャー企業を中心とした企業法務を担当してきています。
例えば、当初2011年ぐらいといえば、まだまだ優先株の調達というのは多くはなかったかもしれないのですが、そういったところでの大規模な資金調達とか、あとはプラットフォームビジネス、プラットフォーム型のビジネスなどのスキーム開発。例えば、資金決済法とかそういったところの関連が多いのですが、そういったところがまだまだ未発達というところで、そこでいわゆるクリエーションみたいなものを要するような業務なども行ってきています。日常的にそういった企業法務を取り扱っているということなります。

あとは、グループの紹介もしておければと思うのですが、Authenseグループ、Authense法律事務所の代表の元榮は「弁護士ドットコム」という、グロースに上場している企業を創業しています。
例えば、クラウドサインなどの提供で、もしかしたら皆さんにも知っていただけているのではないかと思いますが、弁護士が起業をして上場するという意味では初めての企業であったと聞いています。
そのほか、税理士法人、それから弁理士法人、社労士法人、それからコンサルティング会社ということも含めて、そういった士業を複数ラインアップしたプロフェッショナルグループということで運営させていただいているということになります。

では、自己紹介はこのくらいにして、早速、本題のほうに入っていきたいと思います。

このセミナーでお伝えすること

  1. 会社規模で考える、2023年に法務部が持つべき機能とは
  2. 法務部長・法務部員に要求されるスキルとは
  3. 法務人材採用「高いハードル」のリアルな話
  4. 様々な活用が可能な「法務機能外注」
  5. 法務機能外注に関するよくある質問

企業における法務部の役割 法務部とは?

法務人材雇用の難易度から考える企業が知っておくべき「法務機能外注」の選択肢

まず、「企業における法務部の役割」ということですが、皆様も、あるいは日常的に携わられている業務の再確認みたいなところかと思います。企業における法務の目的としては、適法経営といったりしますけれども、それによって遵法法務ないし法治法務みたいなものを実現するというところにあります。
伝統的にはこちらの予防法務、戦略法務、臨床法務みたいな分類をされることが多いと思っています。
いずれにしても法務部は、健全な企業運営と企業成長に欠かせない存在だと思っています。

そんな法務部機能、法務の機能ということなのですけれども、足元、日本の企業が様々な外部環境の変化にさらされているということで、例えば経営環境の変化として、後ほどもご紹介しますが、グローバル化であったり、テクノロジーを中心とするイノベーションの加速であったり、コンプライアンスの強化、そういった要請の高まりというのを受けて、法的環境の変化として様々な、要は新しい規制に対するキャッチアップとかグローバル化への対応とか、あるいは未知の領域、先例のない領域でのクリエーションみたいなところが必要になってきています。

いずれにしても、そういった中で国際競争力強化というところが非常に注目をされていて、経済産業省のほうが、そういった日本企業の国際競争力強化にする経営と法務機能のあり方というところで研究会を設置していて、そちらの報告書においては、皆さんもよくご存じの方もいらっしゃるかなと思いますが、こちらのクリエーション機能、ナビゲーション機能、ガーディアン機能、こういったような整理もされているところであります。

法務人材雇用の難易度から考える企業が知っておくべき「法務機能外注」の選択肢

一番下のガーディアン機能ですけれども、これは、いわゆる守り。その上の2つ、クリエーション機能とナビゲーション機能を合わせてパートナー機能というところで攻めの機能というふうに、攻めと守りというふうに大きく分類し、攻めの内容としてクリエーション機能とナビゲーション機能の2つがあるというような整理になっているかと思います。
もちろん、ガーディアン機能の理解としては、法的リスクの管理の観点から、経営とか他部門の意思決定に関与して業務遂行等の内容に変更を加えて、場合によっては中止させたり、延期させたりということによって会社の権利・財産等を守るということで、様々なリスクを把握し、管理して、会社の企業価値の毀損を防止するというところが中心的な機能というところです。

上の2つを合わせてパートナー機能というところについては、経営や他部門に法的支援を提供するということなのですが、特に上のクリエーション機能については一つ、事業の創造、ビジネスクリエーションといったりしますけれども、これが非常にポイントになっている中で、法務機能として、改めて再認識されているところだと思っています。

少し表現を変えて、ルールメイキングといわれる、すなわち事業が可能な領域を広げる機能ということですけれども、そういった機能としての期待があるということですね。

例えば、先ほど少しご紹介しました、我々のグループである弁護士ドットコム株式会社も、コロナ禍の2020年5月に日本組織内弁護士協会と内閣府の規制改革推進会議の成長戦略ワーキンググループにおいて、電子契約の普及のための法改正に関する提言などを行って、その年の7月と9月に総務省、法務省、経済産業省の連名でクラウド型の電子契約サービスに関する法的解釈が新たに示されたということがありました。

これは、電子署名法という法律の解釈において解釈適用関係がクリアではなかったところ、あるいは適用がないのではないかと考えられた領域を、これは解釈という形なのですけれども、広げて、それによって実質的にはルールをつくっていったというようなところでのクリエーション機能の発揮の局面だったと思っています。

いずれにしても企業の規模や業種に応じて、様々な機能を最適なバランスで備えて、これを発揮していくということが法務には期待されているというところの確認でした。

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記事監修者

Authense法律事務所
弁護士

西尾 公伸

(第二東京弁護士会)

中央大学法学部法律学科卒業、大阪市立大学法科大学院修了。法律事務所オーセンス入所から、ベンチャー法務を担当し、現在では、HRTech(HRテック)ベンチャー法務、芸能・エンタメ・インフルエンサー法務、スポーツ団体法務等を中心に担当。上場企業をはじめとした日本国内外に成長を求める企業のM&A支援にも積極的に取り組む。

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